引越し前に旧居を掃除する方が多いはずです。掃除に当たり悩むポイントが「どこまですればよいか」ということ。丁寧に掃除をすれば敷金が多く戻ってくるといわれていますが本当なのでしょうか。ここでは、引越し前の掃除と敷金の関係、掃除と修復のポイントなどを解説しています。
■引越し前の掃除と敷金
引越しをするとなると、かえってくる敷金の額が気になりますよね。敷金とは、家賃の滞納や部屋の原状回復のために預けているお金のこと。退去時に、これらに必要な金額を差し引いた額がかえってきます。つまり、原状回復する必要がない状態でお部屋を返せば敷金が多くかえってくるのです。そのため、引越し前にお部屋を掃除したほうが良いといわれています。
■掃除と修復のポイント
ここで気になるのが、「どこまで掃除をすればよいか」です。掃除の目安として考えたいのが原状回復です。原状回復とは元の状態に戻すことを意味します。とはいえ、何年も住んでいると自然に劣化してしまいます。経年劣化まで元の状態に戻すことは難しいですよね。
国土交通省のガイドラインによると、普通に住んでいて劣化するものに関しては元に戻す必要がないと示されています。つまり、フローリングの日焼けや家具の設置によるカーペットや畳の凹み、壁にできたポスターなどの跡、壁にできた画鋲などの穴は借主の責任で元に戻さなくてよいと考えられているのです(賃貸契約によっては借主の責任になることがあります)。
一方、台所の油汚れ、ステンレスの錆跡、畳の黄ばみ、壁紙やカーテンなどに染み付いたタバコのヤニ、漏水による壁の腐食、風呂や洗面所の水垢など、経年劣化以外の汚れは借主の責任で元に戻さなくてはならないと考えられています。引越し前に掃除をするときは、これらのポイントを重点的に行うとよいでしょう。
台所の油汚れは、重層スプレーを振りかけてタオルで拭きとるときれいにとれます。ステンレスの錆跡は酢にクレンザーを混ぜて拭くときれいに落とせます。畳の黄ばみは、ミカンの皮を絞った液をタオルにしみこませて拭けばとれます。家庭内の汚れは、身近なアイテムで落とせることが多いので引越し前の掃除できれいにしましょう。
■自力での掃除が難しいもの
すべての汚れを自力で落とせればよいですが、素人の掃除では落としきれない汚れもあります。具体的には、タバコのヤニ、漏水による壁の腐食などです。これらはプロの仕事で原状回復する必要があると考えられます。掃除をしても汚れが落ちないときは、管理会社の判断に任せましょう。
■まとめ
引越し前に、原状回復の必要がないレベルまで掃除をすると敷金が多くかってくる可能性があります。借主の責任で原状回復しなければならない汚れを中心に掃除しましょう。家庭内の汚れはちょっとした工夫で落とせるものが多いですよ。