引越しの際に重労働となるのが本の移動。まとめると重みがあるので、持ち運びに苦労します。少しでも楽に運ぶためには荷造りが重要。プロ直伝のコツを紹介していきます。
■梱包準備
まずは荷造りの基本・ダンボールを用意しましょう。直接ひもでくくってしまう方もいますが、これをやると本を痛める上、持ち運びにくくて指などを痛めてしまうこともあります。面倒でも梱包しておくことで後が楽になります。
ダンボールは、できるだけ丈夫なものを選んでください。おススメは、飲料などが梱包されていたもの。もともと重量のあるものを入れていたダンボールなので、コンパクトな割にしっかりした強度があります。
組み立て方にもコツがあります。本はまとまると重量があるため、底抜けする可能性が。そこで、底面はガムテープでしっかりと補強しておきましょう。通常であ れば「工」の字のように張るところを、「王」の字のように、真中に一本テープを追加するだけで格段に強度が上がりますよ。
■本の梱包方法
ダンボールの準備が出来たら、早速本を入れていく…その前に、必ずやっておきたいことがあります。それは、本をグループ別に整理しておくこと。
はじめに書籍なら書籍、雑誌なら雑誌というように分けましょう。さらにその中から大きさ別に分け、各サイズが揃うようにまとめておきます。こうすることで、ダンボールのスペースを隙間なく利用できます。
サイズが揃ったら、いよいよ梱包していきましょう。ついつい満杯に詰め込みたくなってしまうのですが、これはNG。想像以上の重さに持ち上げられなくなる可能性があります。基本は、重い本を下に、軽い本を上に。こうすることで重心が下に来て持ち運びやすくなります。
詰める時は表紙の向きを上にしておくと、梱包を解く時に棚に収納しやすくて便利。ダンボールの3分の2ほど詰め込んだら、あとはシャツなどの軽いものを梱包するようにします。重いからと、空間を開けて箱を閉じてしまうと、あとでダンボールが潰れてしまう可能性があります。
ダンボールの隙間を埋めたら、上に新聞紙などを敷いてから閉じましょう。ガムテープをカットする時に中の物が傷つくのを防いでくれます。1箱梱包できたら、自分で持てるかどうか重さを確認するのを忘れずに。詰めている時から確認しておくのも良い方法です。
■本をひもでまとめる場合
前述したとおり、できれば本はひもで縛らず、ダンボールに梱包したいところ。本の重みがひもにかかって痛んでしまったり、持ち運びがしづらかったりと良いことはありません。
急ぎの場合など、どうしてもひもで縛らなければならない場合は、ズレないように揃えて縛るのが基本です。最悪なのは途中でほどけてバラバラになるパターン。こうならないために、基本の縛り方を抑えておきましょう。
ダンボールに梱包する場合と同様、まず本のサイズを揃えることから始めます。本を揃えたら、ひもで「ℓ(リットル)」形状の輪を作ります。この輪の中に本を入れて、ひもを横一文字にピンと張るように締めます。
締めたひもを90度動かし、今度は縦一文字になるように締め、そこで蝶結びを作れば出来上がり。ほかにもいろいろな方法がありますが、まずは基本のこの結び方をできるようにしておきましょう。
■本棚は分解すべきか
たまに聞くのが「本棚ごと運んでしまえば、梱包をすることもなくて楽だ」という意見。たしかにそうなのですが、実際は屈強な人が何人もいないと実現することは困難ですし、最悪の場合、本棚が壊れます。「急がば回れ」のとおり、ここは面倒でも梱包していきましょう。
では、本を梱包した後の本棚はどうすればよいのでしょう。サイズにもよりますが、基本的には分解しておいた方がベターです。大きいサイズの本棚だと取り回しが大変ですし、廊下の壁などにキズをつけてしまう心配もあります。
コンパクトなものであればそのまま運べる可能性もありますので、その場合は一度業者に確認しておくようにしましょう。
■本の処分方法
せっかくの機会ですから、引越し費用を浮かすためにも不要な本は処分することを考えましょう。本の処分は、「すてる」か「売る」という二択になってきますが、時間に余裕があるのであれば、「売る」のがおススメ。
大手の古本屋では出張買取りサービスを行っているところもありますので、これを利用すれば本を持っていく手間も省けますし、本の価値によっては引越し前後の食事代程度を稼ぐこともできます。
売却価格にこだわりたい方は、何店舗かに査定をしてもらいましょう。本の査定価格には意外とバラツキがあります。A店舗では0円だったものでも、B店舗では値段がつくなんていうことも珍しくありません。価値があると思われる本の場合、ネットオークションを利用する方法もあります。
引越し直前だとなにかと忙しくて売却にかかる時間も惜しくなってしまいますので、本の整理はできるだけ早いうちから始めておきましょう。